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【資格図鑑】話題の資格!?医療経営士の取得方法を大解剖!

キャリアアップ、専門性向上、転職、独立など様々な背景や理由によって資格取得を目指す方は多いのではないでしょうか?

今回は、医療業界で最近注目を浴びている「医療経営士」という資格について紐解いていきましょう。

MR、MSなど医療業界で働く方は、医療情勢の変化(地域包括ケアやMR不要論)などに対応するためにも、早いうちから取得を目指しておくのが良いと思います。

医療経営士とはなにか?

医療経営士の資格は、一般社団法人 日本医療経営実践協会が認定する民間資格となります。

医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と、経営課題を解決する能力を有し、実践的な経営能力を備えた人材です。

長らく“経営不在”と指摘されてきた医療界において、「医療経営士」は、これからの医療現場を担う重要な人材と位置づけられます。

(「一般社団法人 日本医療経営実践協会HP」より)

簡単に言うと、医療機関(病院、クリニックなど)に対してコンサルティング業務を行える知識やスキルを有する人材を目指すことを目的とした資格と言えるでしょう。

昨今、国策として医療費削減、地域包括ケア、病院機能の変革などが打ち出されており、これら国策にしっかりと対応しつつ、病院経営に対しても課題解決を図れる能力を身につけるための足掛かりとなる資格とも言えます。

発足としては、2010年に設立された法人であり、同年より認定のための試験が実施されて現在で9年目を迎えた比較的新しい資格と言えます。

また、「医療経営士」は1級、2級、3級の3段階での認定試験となっています。

同じく、医療経営関連資格としては、医業経営コンサルタント医療連携福祉士などが各種協会、学会から認定されています。

医療業界関連者が中心に取得を目指す

では「医療経営士」は、どのような人たちが資格取得を目指しているのでしょうか?

グラフは、第1回から第28回までの医療経営士「3級」試験受験者・合格者数の推移を示しています。

直近の第20回以降急激に受験者数が増加していることが分かります。
それ以前は、概ね医療機関に勤める方などが受験者の多くを占めていたとされていますが、直近の増加理由は、医薬品関連企業の受験だとされています。

特に、製薬企業のMR、医薬品卸のMSなどが目立ちます。

アルフレッサHD 医療経営士合格者が1000名超に MSの付加価値として活かす

アルフレッサホールディングス(HD)はこのほど、グループのMSの医療経営士認定試験合格者(2級と3級)が累計で1153名になり、1000名を突破したと発表した。地域包括ケアのキーマン、ステークホルダーの考え方や用いる専門用語をMSも身に着けることで、地域で生じる課題やニーズの解決に積極的に対応できるようにするのが狙いで、当初400~500名程度の取得を目指すとしいたが、今回、それを大幅に上回る合格者数となり、グループ全体のMSの約3分の1に上る数となった。(「ミクスonline 2018/5/8」より)

YOUYOU
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過去の製薬企業の接待禁止、臨床データ不正発覚に加え、国策による急速な環境変化が医療業界には訪れています。また、AIやビックデータなど医療業界における営業活動(MR・MSなど)の在り方についても再考が必要とも考えられます。そんな中、医療経営という側面から新たな付加価値を提供するための資格とも考えられます。
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「医療経営士」を取得するには?

「医療経営士」の資格には、3級から1級までの3つのランクがあり、上位資格である1級においては毎年約5人程度しか資格認定を受けられないほど高難易度となっています。

主な、各ランクの試験概要を下記に示します。

3級 2級 1級
試験日 年3回 年2回 年1回
受験項目 筆記試験
(マークシート)
筆記試験[第1・第2分野]
(マークシート)
1次:筆記試験
(短文・論文形式)2次:口頭試問/個人面接
受験費用 9,100円 分野受験:13,400円
両受験:15,400円
50,000円
合格率 約45%
(受験者数:約3000人)
約28%
(受験者数:約700人)
約20%
(受験者数:約20~40人)

基本的には、各ランク共に筆記試験(1級は口頭試問・面接)に合格をすることで、資格認定がされます。特に、3級においては、年3回の受験機会があるため比較的気軽に受験することが可能になります。

しかし、受験者数や合格率を見てみると、3級と2級の間には大きな壁があることが容易に想像がつきます。3級と2級の違いについては後述していきます。

受験資格

3級

医療従事者、医療関連サービス/企業に勤務する者、および学生 等

つまり、3級は「誰でも」受験が可能ということになります。ただ、医療関連の経営、制度、歴史などの知識習得を目的としているため、基本的には医療業界に関わる、もしくは興味のある方が受験されると考えられます。

近年の3級受験者数の急増は、上述の通り製薬企業・医薬品卸関係者の受験者数が関係しています。
2級
  • 3級資格認定試験に合格
  • 「個人正会員」もしくは「法人正会員」の登録

2級を受験するためには、下級資格である3級合格者であることに加え、入会登録が必要になります。

なお、注意が必要なのは 入会登録期限は合格後6ヶ月以内となっています。それ以降は、入会登録権限が失効してしまうため、2級受験を予定している方においては忘れずに登録を実施しましょう。

なお、入会には登録料10,000円、更新料10,000円(年間)が必要になることも要チェックです。

1級
  • 2級資格認定試験に合格後、正会員の登録(1次試験受験要件)
  • 1次試験合格者(2次試験受験要件)

1級に関しても同様、下級資格の合格が受験要件として必要となります。

資格認定審査について

1級においては、資格認定試験合格のみでは、資格が認定されないのが特徴です。下記要件のように、資格取得後もしくは未取得での医療機関勤務期間が要件として入っていることに注意が必要です。

1、本協会の行う「医療経営士1級」資格認定試験(第一次及び第二次)に合格していること。2、現に3年以上、医師・看護師・薬剤師・医療経営士等有資格者として医療機関に勤務していること。※医療経営士等有資格者として医療機関勤務が3年に満たない者は、医療機関勤務が5年以上あればよい。

公式テキスト

各ランクとも協会推薦試験対策テキストが「公式テキスト」としての役割を担っています。

  • 3級:初級テキスト「8冊」  合計21,600円
  • 2級:中級テキスト「19冊」  合計51,430円
  • 1級:上級テキスト「13冊」    合計42,120円

各ランクとも非常に冊数も多いことに加え、費用面でも高額なテキストとなっております。しかし、医療経営士の資格勉強においては目立った参考書なども少ないのが現状です。

また、別途2級・1級においては理解を深める観点からDVDの販売も実施しています。2級においては、合計19冊のテキストを学習しなくてはいけないため複数のデバイスで効率よく学習を進める必要があります。

購入場所は、全国の書店もしくは日本医療企画HPで購入可能です。

”3級””受験を目指す皆さんへ

3級を目指す皆さんへ、より効率的・経済的な勉強法についてご紹介します。

まず、3級の合格ラインは「6割」の正答率です。(50問中)

公式テキスト(初級テキスト)は購入不要

初級テキストは、計8冊で21,600円もの出費になります。受験料や合格に伴い入会登録料なども含めると、合計5万円を超える出費になってしまいます。

個人的な受験経験から言うと、テキストでの学習は不要です。それ以外の、学習ツールで十分対応可能と実感しています。

テキストが不要な理由は、下記記事にまとめております。

医療経営士試験対策でテキストは購入すべきか?【出題問題】第28回医療経営士3級試験問題から学ぶ!ここ数年、受験者が増加している医療経営士の資格試験。 3級にいたっては、年間3回の...

公式テキスト以外の学習ツールは?

なるほど、なっとく医療経営Q&A50【第4版】 3,240円

約300ページ程度のサブテキストの位置づけになる、医療経営士実践テキストシリーズの一つです。公式テキストと内容を照らし合わせてみても主要な項目はある程度網羅されているテキストになっています。

正直、医療業界で勤務している方は特に、3級受験にあたって公式テキストではなく本テキストで十分合格ラインには達すると思います。

医療経営士3級 予想問題集(長 英一郎) 2,000円

医療経営士の第一人者である「長 英一郎さん」が作成された予想問題集です。実は、医療経営士の資格受験にあたっては唯一の問題集になります。

どんな資格試験にも共通することは、どのような形式で、どのような問われ方をするのかを事前に問題集で経験しておくことが合格への近道になります。

予想問題集では、昨今増加傾向にある「時事問題」にも対応しており、価格面を考慮しても一度は目を通しすことをおススメします。

直前ポイント整理講座(株式会社 日本医療企画) 15,000円

最後は、協会推薦試験対策講座の受講です。受講価格は比較的高めですが、テキスト一式よりかは安いのがポイント。

1発合格、再受験はどうしても避けたいなどの状況にある方においては、選択肢として検討してみてもいいかもしれません。

本講座では、直近の試験出題傾向や重要事項の解説などわかりやすくまとめられているものになっています。医療機関、所属企業から資格取得を強く求められている場合などは最も効率よく学習に取り組める方法になるでしょう。

医療経営資格対策講座(株式会社KHSメディカルサポート) 5,000円

関西地区限定になるかもしれませんが、医療経営士対策講座も大阪にて開校されております。

講座料金も5,000円と、上記日本医療企画に比べても比較的安く受講できるのも特徴です。別途、口座レジュメ資料代(2,000円)も含めても、計7,000円と約半額で受講が可能です。

3級講座の特徴として

  • 2日間プラン(開校時間: 19:00~22:00)
  • 平日・土日とスケジュールが柔軟に選択可能
  • 開校数が多い

受講者からのアンケート結果からも、講座の評価は9割以上の方が満足と回答されています。

登壇講師も、医療業界出身者であり、医業経営コンサルタント有資格と医療経営に精通した講師が担当するため、関西地区に在住の方は選択肢の一つにしてもいいのではないでしょうか?

(参考)3級試験対策ポイント講座 スライドキット

第24回以降の医療経営士3級試験問題、出題箇所を参考に作成した、学習用スライドキットです。私自身が受験の際に、感じた学習教材の選択肢が少なすぎるという思いを形にしました!

受験を考えている皆さんは仕事をしながらの勉強のため、少しでも効率的・効果的な学習に役に立てれば嬉しいです。

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3級受験は、テキスト2・3・4を重点的に!

過去の出題傾向を受験者各位に聞いてみると、公式テキストの2・3・4から約5割程度が出題されていると言われています。

テキスト未購入の場合は、Q&A50や予想問題集を繰り返し見返すなどの対応をしていけば、合格自体は難しくはないと思います。

しかし、これらの資格受験はあくまで知識のインプットを目的としたものです。

資格を取得したからといって、即医療経営に活用できるといったものではないことを再度理解しておく必要があります。ただ、これから受験を検討している方、受験を控えている方においては合格を勝ち取れることを心より応援しております。

本記事が少しでも、合格の後押しになれたらうれしいです。

医療経営士3級 結果報告!

私も初受験として、2018年6月17日(日)に実施された、第24回医療経営士3級の資格試験を受験しました。

その試験結果が、本日(7月17日)発表されました。

受験した感触としては、できなかったの一言でしたが、無事「合格」の結果をいただきました。

ほっと一息。

結果発表について

  • 受験日から約1ヶ月後に協会HPにて、Web結果報告が開示される
  • 試験結果の開示は、概ねAM10:00頃
  • Web結果報告では、受験番号が必要(結果発表までは、受験票は保管しておく)
  • 結果発表日以降、順次結果資料が送付される
  • Web結果報告は、2週間の期間限定開示

また、少しHP上の結果開示が分かりにくかったため、少しだけ解説しておきます。

トップページに、上記結果発表サイトが立ち上がるためチェック!
11桁の受験番号を入力し、送信!
受験番号を入力すると、合否発表画面へ移動する!

本サイトでは、これから医療経営士の資格試験を受験する、検討している方にとって参考になるような情報を発信していけたらと考えています。

無事に一発合格できた勉強法やポイントについても、随時サイト内で更新していきますので参考にしてもらえたらうれしいです。

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