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今さら聞けない「マイナンバーカード」のメリット・デメリットとは?

2016年に発行が開始されたマイナンバーカードですが、2020年の新型コロナに伴う経済対策として支給される「特別定額給付金(一律10万円)」の受け取りに必要とのことで、クローズアップされました。

しかし、未だに必要性が本当にあるのか?という疑問を抱えている方も多いのではないでしょうか。

今回は、マイナンバーカードのメリット&デメリットを整理するとともに、2020年9月から本格始動するマイナポイント事業に向けて発行すべき理由について解説していきます。

そもそもマイナンバーカードとは?

マイナンバーカードとは、2016年に本格的に始まった制度であり、子供からお年寄りまでの全国民に与えられている12桁の個人番号と顔写真入りのカードのことです。

2015年10月から個人番号を通知するための紙のカード(通知カード)が配布されました。通知カードは、公的な証明書としての役割を担えませんが、マイナンバーカードは身分証明証などの役割を担うことができます。

しかし、2020年5月1日時点の普及率(人口に対する交付率)は、たったの16%(国民6人に1人)とのこと。

発行のメリットが限定的であったり、未所持でも日常生活に支障がないなどの理由が、普及を妨げている大きな要因だと考えられます。

マイナンバーカードのメリットは?

2020年7月現在、マイナンバーカードから得られるメリットは主に4つです。

  • 身分証明書になる
  • オンライン確定申告ができる
  • コンビニで住民票・印鑑証明類が発行できる
  • マイナポータルを利用できる

身分証明書として利用できる

マイナンバーカードは、全国民が無料で交付してもらえるプラスチック製のカードです。おもて面には、本人の顔写真、氏名、住所、生年月日、性別等が記載されています。

つまり、これら情報は本人確認のための身分証明として利用できます(運転免許証と明記内容は同じですね)。金融機関における口座開設・パスポートの新規発給など、様々な場面で利用できます。

また、カード裏面にはマイナンバーが記載されているため、税・社会保障・災害対策の法令で定められた手続きを行う際の番号確認に利用できます。

オンライン確定申告ができる

現時点でマイナンバーカードの活用メリット第一位を挙げるとすると、確定申告での利用かもしれません。毎年2月~3月に実施される確定申告ですが、マイナンバーカードを所持しておくことで、オンライン申請ができます。

税務署の窓口で申請をする手間ヒマを、オンラインで実施できるのは大きなメリットです。

特に、最近では会社員の方々による「副業」が広がってきています。副業によって年間20万円以上の収入があった場合は、確定申告が必須となります。

また、ふるさと納税などでも、ワンストップ特例を使わない場合は確定申告が必要です。確定申告をする機会は意外と多いですし、今後の働き方改革やテレワーク推進などで実施する人も増えると考えられます。

コンビニで住民票・印鑑証明類が発行できる

通常は各市区町村の窓口に出向いて取得する必要があった、住民票、印鑑登録証明書、戸籍証明書などの各種証明書を最寄りのコンビニのマルチコピー機で発行ができます。

このコンビニ発行で最も良いのは、早朝から深夜(6:30~23:00)、土日祝日でも発行が可能であることです。

窓口発行の場合は、平日の対応時間のみのため、仕事をしていたりでなかなか予定を合わせるのが難しいという経験をされたことのある方も多いのではないでしょうか。

また、窓口へ移動する手間や待ち時間などの負担がなくなると同時に、発行手数料が窓口と比べて概ね100円程度安くなっています。

証明書類が必要となる機会はそれほど多くはありませんが、いざという時にあったら便利かもしれません。

マイナポータルを利用できる

マイナポータルとは、政府が運営しているオンラインサービスであり、別名「情報提供記録開示システム」と呼ばれています。

一般の人にとっては、正直あまりメリットに感じられることは少ないです。

子育てや社会保障などに関する情報やお知らせが、マイナポータルを経由して提供されるなどの利便性向上に寄与するとされています。

また、将来的には企業の労務関係、健康保険証や医療情報と連携することで各種手続きや情報管理を統合することが想定されています。

(今後)マイナンバーカードで可能になること!

  • マイナポイントでによるポイント還元
  • 会社員の社会保険・税手続きのワンストップ化
  • 健康保険証・お薬手帳としての活用
  • ハローワークカードとしての活用
  • 各種納税手続きのデジタル化
  • 社員証・学生証としての活用
  • 建設キャリアアプシステムとの連携
  • 教員免許管理等への活用

※参照元:デジタル・ガバメント閣僚会議「マイナンバーカードの普及とマイナンバーの利活用の促進に関する方針(PDF)

マイナンバーカードのデメリットは?

最大のデメリットは、情報漏洩リスクに尽きるのではないでしょうか。

昨今、大企業などでも複数ニュースになっているような情報セキュリティに関する不安・懸念が最も大きいです。

なぜなら、マイナンバーカードが取り扱う情報は、前述したとおりの個人情報が詰まったものであることに加えて、今後銀行口座との紐付けなども検討されています。

もちろん、政府としても情報セキュリティに対しては万全の対策を講じてはいると思いますが、絶対に安全とは言い切れないのが実情かもしれません。

少なくともマイナンバーカードを発行、所持するベネフィットとデメリットを考えておく必要がありますね。

2020年後半にマイナンバーカードを発行すべき理由!

情報セキュリティのリスクがゼロではない状況下ですが、マイナンバーカードを発行することをオススメします。

なぜなら、2020年には総務省による「マイナポイント事業」が開始されるためです。

「マイナポイント」とは、マイナンバーカードとキャッシュレス決済の普及に向けた取り組みの一つで、「キャッシュレス_消費者還元事業」と同じようにキャッシュレス決済に対して国からポイントが還元される制度です。

これまで実施されていた、「キャッシュレス・消費者還元事業」は2020年6月30日で終了し、2020年9月から新たに「マイナポイント事業」が本格始動します。

2020年9月から2021年3月末までの期間限定で、選択したキャッシュレス決済による買い物orチャージ額の25%分がポイント還元されます(還元上限5,000円まで)。

このマイナポイント事業を利用するためには、マイナンバーカードが必須となるため、まだ発行していない方、発行しようか迷っていた方は、”お得”をゲットするために発行することをオススメします。

マイナンバーカード申請に必要なものは?

ここでは、マイナンバーカード申請方法と申請の流れを簡単にご紹介します。

なお、オンライン、郵送申請を実施してから市区町村から交付通知書(※)が発送されるまで、概ね1ヶ月がかかります。申請を検討されている方は、余裕を持って準備をしましょう。

※マイナンバーカードの交付準備ができた旨をお知らせする通知書

申請前に必要なもの

✔︎個人番号カード交付申請書または個人番号通知書

マイナンバーカード申請方法
  1. スマートフォンによる申請
  2. パソコンによる申請
  3. 証明用写真機による申請
  4. 郵便による申請
マイナンバーカード受け取り方法

1)申請後、概ね1ヶ月後に交付通知書(はがき)が自宅へ届く

2)交付通知書に記載の期限までに本人が窓口へ行く

3)窓口にて本人確認、暗証番号の設定が完了次第、交付される

参照元:政府広報オンライン「マイナンバーカード

まとめ

マイナンバーカードの発行が始まって約4年が経過していますが、普及しているとは言えない状況です。

自営業・フリーランスなどの確定申告が必要な方、公的証明書が必要な方などの一部の人には非常に恩恵のあるマイナンバーカードですが、その他大勢の人々にとっては必要性を感じないのがマイナンバーカードでもありました。

しかし、2020年9月から本格スタートする「マイナポイント事業」は全ての人が受けられる非常に”お得”な制度です。

キャッシュレス決済サービス利用によって25%分の還元が得られ(最大5,000円相当)、家族全員分(4人家族であれば、最大20,000円分)が還元対象となります。

また、今後マイナンバーカードの活用範囲は増え、さらに利便性も向上すると考えられます。

まずは、キャッシュレス決済を使用している方は、ぜひ9月の還元開始時期に向けてマイナンバーカードの発行準備をするのも良いでしょう。