環境変化の著しい医療情勢を背景に、近年注目されている資格が医療経営士です。
2017年頃から医療関係者を中心に受験者が急激に増加し、直近では第28回(2019年10月20日実施)の医療経営士3級試験が実施されました。
第28回の結果は、受験者が2,186人、合格者が893人(40.9%)と受験者数・合格率共に第27回から比べると上昇傾向となっています。また、過去トータル(第1~28回)で、42,202人が受験し、合格者は18,564人(45.4%)となっています。
約2人に1人が合格しているため、合格は簡単?と思われるかもしれません。
しかし、医療業界や医療情勢、制度について細かな問題出題もあるため、油断は禁物です。特に、直近の合格率は数年前と比べると低くなっています。
今回は、そんな医療経営士3級試験に向けた勉強法を、私自身のやり方も含めまとめていきます。
Contents
そもそも医療経営士とは?
医療機関をマネジメントする上で必要な医療および経営に関する知識と、
経営課題を解決する能力を有し、実践的な経営能力を備えた人材です。長らく“経営不在”と指摘されてきた医療界において、「医療経営士」は、
これからの医療現場を担う重要な人材と位置づけられます。(参照:一般社団法人 日本医療経営実践協会HPより)
経営に必要な4つの資源(人的資源、物的・サービス資源、財務的資源、知的・情報資源)を融合させ、拡大していく専門職が医療経営士だと、定義されています。
病院やクリニックも、慈善事業ではなく存続させるという目的のもと経営を行っていかなければなりません。そんな医療経営に貢献する知識を習得した人材が、医療経営士と言えるでしょう。
医療機関勤務者(医師、事務スタッフなど)に加えて、医療関連企業(製薬会社・医薬品卸など)、金融機関に勤めている方が受験しています。
医療経営士3級試験の内容
<受験日> 年3回 (3月・6月・10月)
<出題形式> 五肢択一、マークシート方式
<制限時間> 80分
<問題数> 50問
<受験費用> 9,100円 ※第29回試験より8,640円から値上げ
<合格基準> 正答率60%
受験機会としては、年3回の実施があるため比較的受験ハードルは低いと考えられます。また、合格基準も相対評価ではなく、正答率60%以上と絶対評価なため、ポイントを押さえた勉強方法が合否を分けると考えます。
オススメの勉強法はコレ!
2つのマスト教材は必ずやる!
医療経営士3級の合格を目指すうえでは、この2つは必ず購入することをオススメします。
- なるほどなっとく医療経営Q&A(第4版) : 3,240円
- 医療経営士3級 予想問題集 : 2,000円
2つの教材、合計5,240円の費用負担は仕方ないと思います。
どちらの教材も、メルカリやヤフオクなどで中古品として出品されている場合もあるため、より安く手に入れたい方は確認してみて下さい。
無料の情報で試験対策する!
実は、医療経営士3級試験の学習範囲はネット上で拾うことができます。なぜなら、医療関連制度はそのほとんどを国(厚生労働省)が定めているためです。
そのため、直近の時事問題などへ対応するために、厚生労働省HPなどもチェックしておくと良いでしょう。
しかし、HP内は膨大な情報があり、試験対策としてはどこが重要なのかが正直わかりにくいです。
そこで、私自身の経験も踏まえ、医療経営士3級試験対策として重要なポイントをサイトにまとめています。少しでも、「なるほどなっとく医療経営Q&A」「予想問題集」以外の勉強手段として活用してもらえたら嬉しいです。
公式(初級)テキスト計8冊は、必要なのか?
医療経営士3級の公式テキストは、合計8冊あります。全ページ数としては、約1,500ページくらいあるでしょうか?
また、公式テキストは非常にまとまりがなく、内容の全体把握が非常に難しく、理解に苦しむでしょう。試験対策としては、逆効果になってしまう可能性も考えられます。
さらに、公式テキストの価格が、1冊あたり2,700円です。合計8冊で、21,600円のテキスト代が必要となり、出費がかさむというデメリットがあります。
なので、公式テキストは基本的には購入不要と私は考えています。詳細な理由などは、下記記事を参考にしてください。
時間とお金は最小限にしよう!
医療経営士3級を目指すほとんどの方は、仕事をしながら試験対策を行っていると思います。
受験経験から言えることは、試験対策にかける時間とお金はできる限り最小限で済ませるようにしましょう!
3級試験の受験料は、9,100円(2020/3試験より)と決して安くはありません。つまり、受験するからには1発で合格を目指していただきたいです。
必要な教材には最低限お金をかけ、それでも不安であれば、追加の学習方法を検討すればよいと思います。
(参考)有料の勉強方法も選択肢の一つ!
直前ポイント整理講座(株式会社 日本医療企画) 費用:15,000円
協会推薦試験対策講座の受講です。受講価格は比較的高めですが、テキスト一式よりかは安いのがポイント。
1発合格、再受験はどうしても避けたいなどの状況にある方においては、選択肢として検討してみてもいいかもしれません。
本講座では、直近の試験出題傾向や重要事項の解説などわかりやすくまとめられているものになっています。医療機関、所属企業から資格取得を強く求められている場合などは最も効率よく学習に取り組める方法になるでしょう。
医療経営資格対策講座(株式会社KHSメディカルサポート) 費用:5,000円
関西地区限定になるかもしれませんが、医療経営士対策講座も大阪にて開校されております。
講座料金も5,000円と、上記日本医療企画に比べても比較的安く受講できるのも特徴です。別途、口座レジュメ資料代(2,000円)も含めても、計7,000円と約半額で受講が可能です。
3級講座の特徴として
- 2日間プラン(開校時間: 19:00~22:00)
- 平日・土日とスケジュールが柔軟に選択可能
- 開校数が多い
受講者からのアンケート結果からも、講座の評価は9割以上の方が満足と回答されています。
登壇講師も、医療業界出身者であり、医業経営コンサルタント有資格と医療経営に精通した講師が担当するため、関西地区に在住の方は選択肢の一つにしてもいいのではないでしょうか?
《管理人作成》3級試験対策ポイント講座 スライドキット ※有料
第24回以降の医療経営士3級試験問題、出題箇所を参考に作成した、学習用スライドキットです。私自身が受験の際に、感じた学習教材の選択肢が少なすぎるという思いを形にしました!
受験を考えている皆さんは仕事をしながらの勉強のため、少しでも効率的・効果的な学習に役に立てれば嬉しいです。収録スライド数は合計200枚以上、公式テキストや時事問題等をカバーしています。
まとめ
医療経営士は、医療業界では一目置かれてきている資格の一つです。医療関係者のみならず、製薬会社のMRなどにとっても有益な知識を取得できるきっかけになる資格です。
しかし、一般的な資格試験とは異なり、参考書や対策問題集、過去問題などが非常に少なく、勉強に取り組みにくい試験でもあります。
限られた選択肢の中から、ぜひ最小限のコスト(勉強時間やお金など)で合格を勝ち取るために、参考になれば幸いです。