「ファイナンシャルプランナー」という資格・職業があります。通称、「FP」と呼ばれ、お金に関するプロフェッショナルの一役を担う資格であり存在です。
言葉は聞いたことがある方も多いのではないでしょうか?
また、人気資格で上位にあるため認知度は比較的高いかもしれませんが、具体的にどのような仕事をしているのか、どのくらいの収入があるのかなどは意外と知らないかもしれません。
これだけは言えますが、資格があるだけでは「1円も稼ぎを生まない」ということです。
しかし、「お金の知識」は今後非常に重要になってくると考えられます!そして、そのお金の知識をつけるために「ファイナンシャルプランナー」の資格を目指すことは非常にメリットが大きいと思います。
①自分自身のため、②仕事(職業)のために活かせる資格です。
自分自身においては、税金の話や生命保険の特徴など自身において避けられないお金の話に詳しくなれます。そして、職業としてはライフプラン設計などコンサルタント的な業務を行うことができるようになります。
今回は、ファイナンシャルプランナーとしての「働き方」に関わる内容をまとめていきます。
Contents
ファイナンシャルプランナーとは?
人生の夢や目標をかなえるために総合的な資金計画を立て、経済的な側面から実現に導く方法を「ファイナンシャル・プランニング」といいます。ファイナンシャル・プランニングには、家計にかかわる金融、税制、不動産、住宅ローン、保険、教育資金、年金制度など幅広い知識が必要になります。これらの知識を備え、相談者の夢や目標がかなうように一緒に考え、サポートする専門家が、FP(ファイナンシャル・プランナー)です。(「日本FP協会ホームページ」より)
つまり、私たちが生活していく上で避けては通れない「お金の疑問」に対するプロフェッショナルが、ファイナンシャルプランナーです。
お金の疑問とは、「税金」「資産運用」「年金」「相続」「保険」「不動産」の主に6つが挙げられます。
これに対して、ファイナンシャルプランナーが専門とする分野が以下の6つになります。
- ライフプランニング
- タックスプラン
- 金融資産運用
- 不動産
- 相続・事業承継
- リスク管理
これらの専門知識を元に、顧客(お客さん)のお金の悩みをサポートすることになります。
ちなみに、アメリカのFPという職業は、弁護士や公認会計士といった日本では士業として有名な職業と同等のステータスを持っています。
また、扱う仕事内容も相談業務を主とする日本と比べ、顧客(お客さん)の資産管理をトータル的に実施することで顧問料を得ることで収入を得るのが一般的と言われております。
ファイナンシャルプランナーの業務内容とは?
ファイナンシャルプランナーの具体的な仕事内容についてみていきましょう。
主に、仕事として扱う業務は上記に記載した専門分野が生かせる仕事です。
保障・補償設計
「リスクマネジメント」を主軸とした保険商品の販売や提案の見直しを行う業務です。最近TVCMなどでよく見る「○○の窓口」などが保障・補償設計業務に該当します。
結婚を機に保険に入りたい、家族が増えたから保険を見直したいなどの様々な家庭環境に応じて最適な保険をアドバイスする業務になります。
保険商品と言えば、人生の最大の買い物の一つでもあり、FP業務の中でも最も多い相談内容となっています。
相続・事業承継設計
高齢化社会がますます進行する日本において、今後増えると考えられるのが「相続・事業承継設計」の業務です。
自身の資産を子供や孫に残す際には相続税がかかるため、相続に備えた準備が必要になります。少し前には、タワーマンションの高層階を相続税対策で購入するケースが多くみられていたのは皆さんもご存じではないでしょうか?
特に、日本の富裕層の多くは高齢者ともいわれており、今後FP業務としてニーズが高まるであろう分野です。
ライフプランニング
社会人から老後にかけての「人生設計」をお金の観点から実施するのが、「ライフプランニング」の業務です。
子どもが生まれれば、小中高・大学にかかる学費や習い事、学習塾などの費用が必要になってきます。また、人生最大の買い物である、住宅購入費用なども考慮しておく必要があります。
ライフプランニングでは、現在~未来の世帯収入と家族構成を考慮した計画的なマネープランを立てることで、安心した老後を過ごすためのサポートを実施します。
金融資産運用設計
最後に、近年NISAやiDeCoなど国を挙げて後押しをしているのが金融資産による運用です。これらに対して、アドバイスを実施するのが「金融資産運用設計」の業務です。
資産運用については、NISAなどの税制優遇が開始されたことで徐々に投資人口も増えていることから、FPとしても知識をブラッシュアップしていく必要がある分野の一つです。
また、将来的にはアメリカのようにFPが顧客の資産運用を一手に担えるまでのステータスが向上すればと期待しています。
働く場所はどこなのか?
FPが仕事をする場として主に、企業内と独立系の2パターンがあります。
企業内FP
いわゆる、一般企業に一社員として所属する働き方です。企業としては、
- 銀行
- 証券会社
- 保険会社
などの金融系機関が中心となります。FPの資格がなくても基本的には仕事をすることは可能ですが、顧客からの信用や体系的な専門知識の習得、資格手当などの給与UPという観点からもFPの資格取得は大きなメリットとなります。
独立系FP
もう一つは、FPとして事務所を構えるなど独立する働き方です。また、独立系と記載したのは、FP業務に特化した企業を上記企業内FPと区別をするために記載しております。
独立FPについては、自分自身の裁量で仕事を進めることができるため、自由度が高くなりますが、顧客獲得などを戦略的に実施しなければならないため工夫と努力が必要になります。
次項の収入でも触れますが、独立FPの中では大幅に収入差が生じるのも特徴です。
また、独立系FPの業務として、相談業務のみならずセミナー開催や執筆業務(本、週刊誌、地方新聞コラムなど)があり、幅広く自身の専門知識を発揮する場面があります。
ファイナンシャルプランナーの収入は?
気になるFPの収入はどのくらいでしょうか?ちなみに、日本全体の平均年収は422万円(平成28年度)となっています。
ファイナンシャルプランナーの年収は、300万円~700万円程度がレンジのようです。FPの働き方として2種類を紹介しましたが、総じて企業内FPの方が平均年収は高い傾向にあるのが現状です(400~500万円が下限値)。
つまり、安定した給与が振り込まれる企業内FPに比べると、独立系FPの方がやはり収入としては低いと言えるでしょう。
逆に、高収入を得ているのは独立系FPで年収1000万円を超えるFPも多く存在しています。顧客獲得や集客が上手かったり、相談業務に限らずセミナー、執筆活動など幅広く活動ができるようになれば高収入も夢ではありません。
集客の工夫、人脈の活用、後述するダブルライセンスなどによっては、独立系FPとしても活躍できるフィールドです。
ファイナンシャルプランナーになるためには?
FPになるには、どうしたらよいのでしょうか?
FP関連の資格には、大きく分けて以下の2種類があります。
- 国家資格:1級FP技能士・2級FP技能士・3級FP技能士
- 民間資格:CFP資格・AFP資格
「FP技能士」には3段階のレベルがあり、難易度が低い順に3級、2級、1級に分かれています。FP技能士の資格試験は、日本FP協会と金融財政事情研究会(きんざい)の2団体が実施しております。
「CFP・AFP」には2段階のレベルがあり、AFP、CFPの順に難易度が高くなります。本資格認定は、日本FP協会が実施しています。なお、CFP・AFPは、資格の更新が必要であり、更新のためには継続教育(単位取得)が必要になる点がFP技能士と異なるポイントです。
ぶっちゃけ、どちらの資格を取得すればよいのか?
まずは、FP技能士の資格取得を目標にすることをおススメします。一度合格すれば、一生涯の資格になるのに加え、さらに専門的に学習したいとなった場合には上級資格へステップアップが可能なためです。
相性の良い資格がある!
最後に、FPとしての専門知識をより業務、そして収入につなげるためにはダブルライセンスという方法が有効です。
金融のプロとして、FP資格とその他資格を組み合わせて活動することで相乗効果が期待できます。
- FP + 税理士
- FP + 中小企業診断士
- FP + 社会保険労務士
- FP + 行政書士
- FP + 宅地建物取引士
FP単独では、全国に数十万といるFP資格所持者の中に埋もれてしまいますが、ダブルライセンスで独自のブランドを確立することで他者との差別化も可能になります。
まとめ
ファイナンシャルプランナー(FP)は、国家資格ではあるものの弁護士や医師などと違い独占業務がないため、資格取得だけでは1円もお金を生まない資格ではあります。
しかし、「お金」は誰しもが一生付き合わなければならないモノであり、悩みの種になる機会が多いのが現実です。
そのような中、お金の専門知識を持っていることで、より良いサービスを提供出来たり、価値を提供することができると思います。また、他人のために知識を使わずとも、自分自身のライフプランニングに役に立てるだけでも十分メリットは大きいです。
少しでもお金に関する知識を持つ方が増えることで、より有意義なライフプランを立てていただけたら嬉しいです。