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【テキスト4】医療経営士3級資格試験 重要ポイント講座

[テキスト4]病院の仕組み/各種団体、学会の成り立ち

本記事は、「医療経営士3級」資格試験の公式テキストの1項目であり、病院の機能、医療従事者を取り巻く環境などを扱う範囲です。その「病院の仕組み/各種団体、学会の成り立ち」のポイントをまとめていきます。本テキストは、テキスト2・3同様に出題率が非常に高いため、集中して学習に取り組むことが合格への近道です!

★本ページの読み方★
  • ポイントは概略であって、詳細はテキストorなっとくQ&Aなどで確認してください。
  • 直近の出題傾向も加味して、ポイント整理をしております。
  • 法改正、制度改正など一部最新情報でない部分は、あらかじめご了承ください。

第1章 病院の基礎知識

病院の定義

医療機関と呼ばれる「病院」「診療所」について、医療法は「医師又は歯科医師が公衆又は特定多数人のため医業又は歯科医業を行う場所」と定義している。

  • 病院20名以上の患者を入院させるための施設を有するもの
  • 診療所19名以下の患者を入院させるための施設を有するもの ※「医院」「クリニック」などと名称づけられている
病床の種類と役割
ベッドの種類 目的
一般病床 下記の4類型以外の病床で、具体的には急性期診療を行うとされている病床。
療養病床 主として長期にわたって療養を必要とする患者を入院させるための病床。医療保険の対象と介護保険の対象の2種類がある。(医療療養病床、介護療養病床)
精神病床 精神疾患を有する患者を入院させるための病床。
結核病床 結核の患者を入院させるための病床。
感染症病床 感染症の予防及び感染症の患者に対する医療に関する法律(感染症予防)に規定する1類感染症、2類感染症、指定感染症及び新感染症の患者を入院させるための病床。

医療関連職種の主な業務

第24回医療経営士3級試験(2018/6実施)にて出題のあった救急救命士についてまとめておきましょう!

救急救命士:症状が著しく悪化する恐れがあり、またはその危険な状態にある傷病者が病院などに搬送されるまでの間に、軌道の確保、心拍の回復その他の処置であって、症状の著しい悪化を防止し、または尊雄生命の危険を回避するために緊急に必要なものを行う。

救急救命士の業務

メディカルコントロール体制の整備を条件に、以下の業務を実施できる。

  1. 除細動
  2. 気管挿管
  3. 薬剤投与(エピネフリン)
  4. 心肺機能停止前の重度傷病者に対する静脈路確保及び輸液血糖測定並びにブドウ糖溶液の投与

病院の収支構造

〇病院の収支

病院の収入:外来・入院による診療報酬+その他(人間ドック、健康診断、製薬会社治験受託料、自費診療)

病院の支出:半分程度が人件費

〇病院への支払い方式

出来高払い方式:診療行為それぞれに点数を定め、合計により算出

包括払い方式:1回、1日1ヶ月といった単位でまとめられた点数を設定 ※代表例)DPC/PDPS

公的価格の意味するところ
  • 市場原理に任せることで医療の質が落ちることが防げる、一方急な方向転換に振り回されて医療業界が打撃を受ける可能性がある
  • 診療報酬改定は、国の方針を反映するものであり、社会的背景を写している
  • 医療政策の方向性は、「外来患者は大病院ではなく診療所へ」「病院の機能分化」「患者の早期社会復帰」

第2章 病院の機能

医療機関の機能分化と連携

〇日常における機能分化
  1. 一次医療機関(かかりつけ医:ホームドクター):クリニック等の診療所、中小病院など
  2. 二次医療機関:地域の基幹病院など
  3. 三次医療機関:大学病院など
〇政策医療での機能分化

政策医療とは、国民の健康への影響が大きい疾患に関する医療を指す。合計19分野

がん疾患 成育医療 呼吸器疾患 血液・造血器疾患 災害医療
循環器疾患 腎疾患 免疫異常 肝疾患 国際医療協力
精神疾患 重症心疾患 内分泌・代謝系疾患 エイズ 国際的感染
神経・筋疾患 骨・運動器疾患 感覚器疾患 長寿医療 全19分野
〇医療法での機能分化
  1. 地域医療支援病院:後方支援、紹介患者の受け入れなどを行う、市立病院・医療センターなど(都道府県知事の承認
  2. 特定機能病院:高度な医療の提供を行う、大学病院など(厚生労働大臣の承認
  3. その他

第3章 病院の組織

看護部門(看護部)

課題:看護師不足問題

急性期病院(看護配置基準7対1)において大幅増員 ⇒ 2006年診療報酬改定で病院全体の看護体制が評価 ⇒ さらなる看護師の大量採用 ⇒ 在宅医療の推進に伴い、訪問看護師の採用 ⇒ 看護師不足

看護師不足に対して

現在は、病院機能の変革の一つとして病床の転換が推奨されている。それに伴い、急性期病院の減少、回復期等の増加に伴い看護師不足は解消されるのではないかと予想されている。

その他のメディカルスタッフ部門

薬剤部 検査部 リハビリテーション部 栄養部
薬剤師 臨床検査技師 理学療法士
作業療法士
言語聴覚士
視能訓練士
栄養士(100床以上必須)
管理栄養士(300床以上必須)
調剤
服薬指導
DI
疑義照会は、薬剤師のみ特権
検体検査
生理機能検査
放射線診断(放射線科)
理学・作業・言語聴覚療法 食事の提供
栄養管理・指導
NST

※検体検査、生理機能検査、放射線診断としてどのような検査内容があり、どのような内容があるかをザックリ理解しておく必要があります!

  • 検体検査:患者の身体から検体(血液、皮膚、唾液など)を取り出し行う検査
  • 生理機能検査:患者の身体を直接使う検査
〇相談部
医療ソーシャルワーカー(MSW) 精神科ソーシャルワーカー(PSW)
資格要件 特になし 特になし
職種 社会福祉士 ※国家資格 精神保健福祉士 ※国家資格

医療・精神科ソーシャルワーカー自体に、資格要件はありません。一般的に、これら業務に携わるのは社会福祉士・精神保健福祉士の国家資格取得者であるという点をしっかり確認しておきましょう。

第4章 病院内の委員会

委員会の意義と役割

今後必要性が高まると考えられるチーム医療の実践にあたって病院内の横のつながりを強めるための機構。

委員会の類型:①経営②業務③診療報酬の3つの類型に分類される

委員会 ポイント 経営 業務 診療報酬
医局会 臨床現場の意見共有、情報提供の場として活用
薬事委員会 医薬品採用の流れ、情報共有などのルール作り
看護師長会 新規の医療機器、システム導入などの情報共有
病院運営委員会 各種データ分析を元に、病院経営の方向性を定める
教育研修委員会 医療従事者に対する能力向上のバックアップを企画・審議
業務改善委員会 病院機能評価、ISO、TQM、QCサークルなどの導入も増加
広報委員会 WEB時代も踏まえ、様々な媒体を通した広報を検討
倫理委員会 医療訴訟、臨床治験など
医療安全管理委員会 インシデント・アクシデントの収集分析など
診療録管理委員会 カルテ等の適正運用など
患者サービス向上委員会 間接的(受付対応、清掃管理など)サービス向上が課題
給食委員会 NST発足なども増加
輸血療法委員会
検査精度管理委員会
クリティカルパス委員会 治療課程の可視化に、クリティカルパスが寄与
褥瘡管理委員会 WOCナース
感染症対策委員会 MRSAの院内感染がキッカケ

第5章 病院関連施設

介護施設・事業所

介護保険サービス
  • 居宅サービス
  • 施設サービス
  • 地域密着型サービス

※小規模多機能型居宅介護、認知症対応型共同生活介護(グループホーム)など小規模施設で行われる介護サービスは、地域密着型サービスに分類される。

施設サービス

介護保険で入所者に提供できると定められた3つの施設。

介護老人福祉施設 介護老人保健施設 介護療養型医療施設
入所対象 ・常時介護が必要
・居宅介護困難者
病状が安定した要介護者 長期療養が必要な患者
事業主体 地方公共団体
社会福祉法人
地方公共団体
医療法人
社会福祉法人
病院の一部
備考 特別養護老人ホーム(特養) 2017年末廃止予定であったが、6年間延長された。

保険薬局

〇医薬分業

目的)医師と薬剤師がそれぞれの専門分野で業務を分担し、より安全で効果的な薬物療法を行うこと

医師:薬剤在庫に関わりなく処方が可能になり、より適切な医療を患者に提供できる

薬剤師:患者の処方薬剤情報を管理することができ、安全性など十分な情報提供が可能になる

〇後発医薬品(ジェネリック医薬品)
  • 特許が切れた新薬(先発医薬品)と、同じ有効成分、効能・効果、用法・用量の医薬品
  • 新薬よりも薬価が低い(0.5掛けなど)
  • 後発医薬品促進施策として、診療報酬への反映などが進んでいる(202080施策など)

第6章 医療関連官公庁

病院と官公庁とのかかわり

厚生労働省(国) 都道府県 市町村
部局 ※1 医療計画の策定
⇒5疾病・5事業など
保健所の設置
介護保険の保険者
〇休日・夜間診療のとりまとめ

【※1】特に重要な部局

  1. 医政局:医療法などの法律改正
  2. 医薬食品局
  3. 保険局:医療保険制度、診療報酬改定など
  4. 老健局:介護保険制度の改定など

第7章 医療関連団体

医療関連団体について

個人加盟団体 法人加盟団体
日本医師会
日本病院薬剤師会
日本薬剤師会
日本看護協会
日本歯科医師会 など
日本病院会
全日本病院協会
日本医療法人協会
日本精神病院協会
日本医師会・日本歯科医師会・日本薬剤師会「三師会」と称する。 上記4つを総称し、「四病協」と呼ぶ。

個人加盟団体

日本医師会 日本病院薬剤師会 日本看護協会
設立 1916年 1953年
会員対象 開業医を中心とした医師 病院、診療所勤務の薬剤師 保健師・助産師・看護師・准看護師の有資格者「個人」
会員数 16万6千人(開業・勤務医半々) 約3万7千人 約61万人

法人加盟団体

〇日本病院会:1951年設立、正会員数2384病院(2012年)

日本病院会倫理綱領↓

  1. 医療の質の向上
  2. 医療記録の適正管理
  3. 権利擁護とプライバシーの保護
  4. 安全管理の徹底
  5. 地域社会との連携の推進

第8章 学会組織

第9章 医療関連ビジネス

臨床検査受託業者

  • ブランチラボ方式:検査機器、人材全てを外注する方法
  • FMS方式人材を除く検査機器と試薬と運営を委託する方式
  • 検体集配方式:もっとも一般的である。検体を病院から回収し、検査結果を病院に報告する方式。しかし、結果が出るまで最も時間を要するため、緊急の検査には適さない。

テキスト4 ポイント講座

簡単ではありますが、医療経営士3級のテキスト4「病院の仕組み/各種団体、学会の成り立ち」を学習するポイントを解説していきました。

随時、その他テキストも掲載していきますので参考にしていただけると幸いです。

☚ 【テキスト3】医療経営士3級資格試験 重要ポイント講座

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