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[テキスト7]患者と医療サービス
本記事は、「医療経営士3級」資格試験の公式テキストの1項目であり、医療におけるサービスという概念を扱う範囲です。その「患者と医療サービス」のポイントをまとめていきます。
- ポイントは概略であって、詳細はテキストorなっとくQ&Aなどで確認してください。
- 直近の出題傾向も加味して、ポイント整理をしております。
- 法改正、制度改正など一部最新情報でない部分は、あらかじめご了承ください。
第1章 総論 医療サービスの定義と理解
サービスの定義
- 同時性:売り買いした後にモノが残らず、生産と同時に消費される
- 不可分性:消費を切り離すことは不可能
- 不均質性:品質が一定でない
- 非有形性:触れることができず、商品の購入前に見たり試したりができない
- 消滅性:在庫にすることが不可能
サービス商品と形のある商品との違い
- 消費と供給の同時性
- 過程と結果の等価的重要性
- 提供者と消費者の共同作業の必要性
医療従事者&患者から見た医療サービス
「医療サービス」に関する国民意識の変遷
- 1999年:横浜市立大学病院における「患者取り違え事故」
- 2001年:「患者の呼称に‟様”をつける」ことが推奨、医師ランキング、病院格付けなど
- 2004年:「医療消費者」の概念誕生、クレーマーの登場
- 2007年:「患者自身の医療の選択権」に変化
- 2015~2025年:団塊の世代が65~75歳以上になり、さまざまな高齢者にニーズへの対応が求められる
結果、これらの変化を踏まえた新しい医療サービスへの取り組みが求められる。
データに基づく受療行動の検証
患者の受療行動(満足度調査) | 外来 | 入院 |
満足 | 1.病院スタッフの対応 2.医師との対話 3.診療・治療内容 |
1.診療・治療内容 2.病院スタッフの対応 3.医師との対話 |
不満足 | 1.待ち時間 2.診察時間 3.精神的なケア |
1.食事内容 2.病室・浴室・トイレ 3.プライバシー保護 |
なお、医療機関の試行錯誤の取り組みの成果として、徐々にではあるが患者満足度の向上につながっている。特に、看護体制の厚い入院患者において満足度が高い傾向にある。
第2章 各論 医療サービスの実践
医療サービスに必要とされるスキル
コミュニケーション能力を高めるために必要なスキルは、「医療接遇」「メディカル・コーチング」である。
医療接遇 | コミュニケーション | マナー |
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メディカル・コーチング |
メンタルコーチング | スキルコーチング |
コーチングを受ける側の情報整理を手伝い、異なった視点から観察するように促して気づきを待つ等の手法 | コーチ自身がその分野に関して一定のスキルと知識を有し、それをベースに個人のスキル向上を促す手法 | |
コーチングの技術 |
a)開いた質問(相手が自由に答えられる質問)と閉じた質問(二者択一) |
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注意点 |
コーチの立ち位置として、考え方を押し付けたり、画一的な目標を定めたりすることはない。あくまで、「答えはクライアントの中にある」。 |
未収金対策
未収金が発生する背景
- 患者負担割合の増加
- 低所得者層の増加
- 診療内容への不満
未収金が発生するそもそもの理由としては、医師法第19条の応召義務「診療に従事する医師は、診察治療の求めがあった場合には、正当な理由がなければ、これを拒んではいけない」と厚労省の通知が根拠となっている。
最も重要なことは、発生させないことが肝要である。
- 保険証の確認
- 連帯保証人の自筆署名~入院誓約書
- 医療費の事前公表・説明
- 診療報酬対象の書類等の即日交付
- クレジットカード、デビットカードの導入
待ち時間対策
待ち時間対策 | 大項目 | 具体的解決策 |
①待ち時間そのものを短縮 |
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・人員配置、役割などの見直し ・電子カルテなどITの導入 ・予約システム導入 など |
②待ち時間を快適に過ごす |
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・予約システム導入 ・雑誌などの設置 ・電話・ネット通知 ・患者教育 など |
③特殊な解決方法 |
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〇待ち時間に関する報告・事例
- 眼科診療所では、待ち時間が長い傾向がある。(背景:検査時間がかさむ)
- 70%の患者が許容できる待ち時間は「30分以内」
- 患者の長い待ち時間は、職員のストレスとなる
- システムの導入だけではなく、多職種のチームワークが待ち時間削減には重要である
適切なトリアージ
最善の救命効果を得るために、多数の傷病者を重症度と緊急性によって分別し治療の優先度を決定し、重症患者から順に治療や搬送をする方法
「テレホントリアージ」のメリットとして、①フリーアクセスで容易に相談できる②医療格差の大きい地域医療への支援が挙げられる。
〇日本におけるテレホントリアージ
- 「#7119」:各種アドバイス、医療機関案内、救急車出動要請などを実施
- 「#8000」:休日・夜間の子どもの急病対処などの相談窓口
医療サービスの提供者としての新たな職種
- 医療コーディネーター:医療者と患者の間に立って、治療法、医療サービスなど様々な面で「立場の違い」からできる隙間を埋める職種
- 医療コンシェルジュ:受診支援のサポートを専門的に行う※診療の所要時間短縮に寄与
- 医療メディエーター:医療対話仲介者
- 医療コミュニケーター:利用者と医療・介護の橋渡し役
欧米における医療サービスの現状
〇メディカルツーリズム
「観光」と「医療サービス」をセットしたパッケージツアー
医療 |
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テキスト7 ポイント講座
簡単ではありますが、医療経営士3級のテキスト7「患者と医療サービス」の学習するポイントを解説していきました。
随時、その他テキストも掲載していきますので参考にしていただけると幸いです。