読書

人生に必要なお金の「答え」!お金は、他人ではなく自分自身で管理する!

1.お金は人生の自由を拡大する手段だが、あくまでも手段にすぎない。

2.お金は、たんたんと合理的に扱うといい。

3.お金の運用は、他人(プロを含む)に任せるよりも自分で行う方が簡単であり、安心でもある。(「はじめに」より)

私たちの人生において、お金は切っても切れないモノ。お金の話になるとと、複雑だ、小難しいなどといった意見が聞こえてきそうです。そんな思いの方に、シンプルな答えを提示してくれるのが『お金で損しないシンプルな真実』(著者:山崎元、出版:朝日新聞出版)です。

~お金の正体~
「誰かに何か『いいこと』をしてあげたときに、その『感謝のしるし』としてもらえるものがお金だ」(「はじめに」より)

この言葉は、お金に対して身構えたり、小難しく考えている方にとっては、シンプルな回答を提示してくれているのではないでしょうか?「お金を稼ぐことは悪」という意見も耳にすることがありますが、上記の言葉からすると、対価として正当な報酬であり、お金に対して構える必要は全くないといえるでしょう。

お金と向き合う上では、自分自身が変わる必要がある

昨今、「1日数時間で月○○万円」「○○するだけで、不労所得が得られます」など、お金を稼ぐにあたって甘い誘いがSNSやネットなどを中心によく見かけます。

でも、本当にそうでしょうか?そんなおいしい話があれば、だれでも稼げるはずですが、現に世の中を見渡すとそんなことありませんよね?

そもそも、お金は自身で働いてから稼ぐという思考が大切です。そして、「稼ぐ能力」を若いうちから鍛えておくことが必要になるそうです。稼ぐとは、かけた時間とお金を交換すること。つまり、「稼ぐ能力」を鍛えるということは、時間当たりの効率をいかに高めるかが重要になってくる。それが、「価値のある人材」になるということ。

誰しも、得意なこと、好きなことがあると思います。例えば、語学力や資格など。それらを、組み合わせて他人とは違う価値を作り上げることがその第一歩になるのではないでしょうか?

また、自分には得意なことなどないという方においては、早いうちから「自分への投資」を意識することが、将来お金を稼ぐうえでは大切になってきます。

借金は、本当に必要なときにしかしない

お金を使いたければ、働いて貯めてから使うのが大切な原則です。しかし、世の中にはカードローン、キャッシング、リボ払い、各種ローンなどの借金をするという選択肢があることも事実です。

借金で一番問題となるのは、「金利」です。カードローンにおいては約年14%、キャッシングにおいては約18%が金利の相場です。50万円の借金をした際に単純計算すると、前者ではプラス7万円、後者ではプラス9万円を1年後に支払うことになります。

この借金で出ていく「無駄なお金」を稼ぐ大変さを投資で考えてみると、運用のプロフェッショナルが損するリスクを背負ったうえで稼げる利益が、だいたい5%程度です。

つまり、お金のプロ(投資のプロ)が必至で稼げる金額の3倍以上、私たちが借金することで失ってしまうということになります。これが、「借金」はできるだけしない所以です。

しかし、してもよい借金として「奨学金」を挙げています。奨学金を活用して、学を手に入れることで、一時的に借金はするもの、その後の社会に出たときの「稼ぐ力」に大きく貢献するためとされています。

また、中には住宅ローンなど高額な商品を購入するにあたって「借金」を実施するケースはあると思います。家を買うことに対しては、賛否両論がありますが、著者は持ち家であっても「不動産投資」としてリスクを認識したうえで選択する必要性を話しています。

お金のことは、何よりもまず自分で考える

「初心者向けの商品」など無い。つまり、銀行や証券会社などの営業マンから「投資の初心者向けの商品」というフレーズが出てきたとしても、それはウソになります。自身のお金を守るうえでは、他人ではなく自分自身が正しい知識をつける必要性があるということです。

似たような話で、保険の無料相談窓口などがあります。無料相談窓口の担当者は、来場者に保険の見直しなどを通して商品を提案し、成約に至った時の手数料を得ることを目的にしています。つまり、これらの営業マンは「来場者の利益」ではなく、「いかに手数料を得るか」に目が向いていることを知っておく必要があります。(すべての営業マンがそうであるとは言えませんが・・・)

もし相談をするのであれば、金融商品などを取り扱っていない中立的なファイナンシャル・プランナー(FP)に相談料を支払い実施することがよいでしょう。

シンプルな投資の本質

「自分の持っているお金を経済の生産的な活動に参加させて、お金自身にお金を稼がせること」これが投資の本質です。(「第2章」より)

もちろん、投資にはリスクがつきものであり、リスクを正しく理解することが重要になる。そして、実際に運用する際には、「売り買い」ではなく「持つ」ことを意識することが成功する第一歩になります。

具体的には、

1.貯蓄:銀行の普通預金

2.リスク運用:投資信託(中でもインデックスファンド)

3.無リスク運用:個人向け国債

に分散させることが、大きな失敗をしない、だれにとってもおおむね最適な運用方法となる。(「第2章」より)

投資のテクニック以前に、「手数料」をチェック

投資を行っていく上で、一番に注目してほしいことは、手数料の大きさだそうです。

手数料は、投資をする購入者からしてみれば確実なマイナスでしかありません。つまり、投資を開始した時点で、-スタートになりますね。それゆえ、必ず「手数料」をチェックしたうえで商品選択を実施する必要があります。

手数料0.5%以上は「取られすぎ」だと判断する。(「第2章」より)

 

また、近年では節税が可能な運用の器(制度)が登場しています。「iDeco(個人型確定拠出年金)」「NISA」「つみたてNISA」などがその制度にあたります。

このような、税制上優遇のある制度は最大限活用することが大切です。


お金は、複雑、小難しいと考えている人は決して少なくないはず。そんな方にこそ、難しく考えないためのシンプルな回答を見つけ、お金に対する視点について気づきが得られるかもしれません。