そろそろ投資を始めなきゃ!と考えているほとんどの方は、「NISA」という言葉は聞いたことはあるでしょう。
しかし、いざNISAを始めようと思った際、「一般NISA」に加えて、2018年から「つみたてNISA」がスタートしましたが、この2つのどっちを選んだらよいか悩む場合が多いです。
今回は、「一般NISA」と「つみたてNISA」の違いや特徴をまとめていきます。
Contents
大前提:NISA口座はひとつしか選べない!
まず、押さえておくべきポイントはココ!
NISA口座とつみたてNISA口座は、どちらかひとつしか保有できない
これから新規で口座開設を行う人、すでに一般NISA口座を保有している人は、どちらか一方の口座を選択する必要があります。
NISAの「一般」と「つみたて」の違いは?
そもそもNISAと通常投資の違い
まず初めに「NISA」自体のメリットを確認しておきましょう。
NISA(少額投資非課税制度):投資による利益が非課税となる制度
本来、投資(株や投資信託など)によって利益が生じた場合、そこには税金がかかります。通常の口座で投資をして利益が出ると、利益の約20%が税金として引かれてしまいます。
しかし、NISA口座で投資した場合、利益にかかる本来の税金が0%になります。
NISA | 通常投資 |
---|---|
投資利益1万円 = 手取利益1万円 (税金が非課税) |
投資利益1万円 = 手取利益約8,000円 (税金が約20%) |
このように、投資の利益に対する税金がゼロになる分、投資をするのであれば活用しないのは損でしかありません。
NISAとつみたてNISAの違いは4つ
\一般NISAとつみたてNISAの違い/
一般NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
利用可能年齢 | 20歳以上 | |
年間投資可能額 | 120万円 | 40万円 |
非課税運用期間 | 5年間 (ロールオーバーで最大10年間) |
20年間 |
制度終了年 | 2023年 | 2037年 |
投資商品 | 株・投資信託・ETF・REIT | 投資信託・ETF |
開設可能な口座数 | ひとり1口座 ※どちらかひとつ | |
払出し制限 | いつでも可能 |
年間投資可能額:『40万円VS120万円』
一般NISAは、年間120万円まで投資が可能であり、5年にわたって利用できるため投資上限は600万円となります。
一方、つみたてNISAは、年間40万円まで投資が可能であり、20年にわたって口座を維持できます。期間が長い分、投資上限は800万円となります。
投資対象商品:『投資信託のみVS株・投資信託他』
つみたてNISAは、投資商品として「投資信託」のみ購入できます。さらに、投資信託の中でも金融庁が定めたガイドラインに合致した商品のみが対象となります。
一方、一般NISAは、投資信託の他、株やREIT(不動産投資信託)などより多くの投資商品から選ぶことができます。
商品数でみれば、圧倒的にNISAが多く、その中で厳選された商品を選ぶのがつみたてNISAだと言えるでしょう。
非課税投資期間:『20年VS5年』
年間投資額をどれくらいの期間非課税で運用できるかが、非課税投資期間です。
一般NISAの場合は5年間、つみたてNISAの場合は20年間となります。
上記の期間内に利益確定を行えば、全額非課税のメリットを受けることができます。
ロールオーバー:『不可VS可能』
一般NISAの非課税投資期間は5年と説明しましたが、最大10年まで延長する方法がロールオーバーです。
非課税期間延長を指し、NISA口座に保有する資産を翌年以降の新しいNISA口座へ移管すること
つまり、1年目で投資し、5年目時点で売却していない資産が100万円分あった場合、6年目のNISA口座へ100万円を移管することができる仕組みです。しかし、移管した資産は6年目の投資枠を圧迫することになるため、新規で購入できる額は20万円となります。
なお、つみたてNISAには、ロールオーバーはありません。
NISAとつみたてNISA、どっちを選ぶべき?
NISA | つみたてNISA | |
---|---|---|
メリット | ・株など商品選択肢が多い ・年間投資額が大きい ・購入タイミングが自由 |
・少額から投資可能 ・非課税運用期間が長い |
デメリット | ・非課税運用期間が短い ・商品選びが難しい |
・年間投資額が少ない ・積み立てでしか商品を買えない ・商品選択肢が少ない |
オススメな人 | ・余力金が多い人 ・リスクを取って投資したい人 ・投資経験者の人 |
・これから投資を始める人 ・少額から始めたい人 ・長期的な資産運用をしたい人 |
端的に言えば、以下の方は『つみたてNISA』を選ぶことをオススメします。
- 投資初心者の人
- 安定的(リスクを取らない)な資産運用をしたい人
- 少額・長期の運用を目指している人
逆に、これ以外の方は『一般NISA』での運用が向いているでしょう。
夫婦や家族全員で資産形成が合理的
どうしても2つの口座を持ちたい、つみたてNISAで経験を積んだら株式にも投資してみたいと思う人もいるかもしれません。
そんな時、同一人物がNISA口座とつみたて口座の2つを開設することはできませんが、20歳以上の国内居住者であればひとり一つのNISA口座を持つことができます。
つまり、夫婦でひとつずつ口座を開設すれば、家族として効率的な資産形成が可能になります。さらには、子どもがいる家庭では、ジュニアNISA口座も活用できます。
夫 | 妻 | 子ども(19歳未満) |
---|---|---|
つみたてNISAの口座 | NISAの口座 | ジュニアNISAの口座 |
なお、家族全員が投資に詳しくなる必要はなく、だれか一人が家族の持つ口座の運用を引き受ける形で投資が可能です。
もし、複数口座を開設する場合は、投資対象のリスク分散を考慮し、活用すると良いでしょう。
- 個別株式を投資対象
- 値上がりによる運用益が生じた場合、利益確定を積極的にする
- 投資上限額は、妻(つみたてNISA)を優先し120万円枠を利用する
- 年間上限40万円をフルに積み立てる
- リスク回避をベースに、インデックス運用とする
- 原則、途中売却はしない
- 長期的な資産形成を目指す
このように、NISA口座は積極的に利益確定を目指し、つみたてNISA口座では長期的な資産形成(貯蓄のイメージ)を担う形で棲み分けすると良いでしょう。
まとめ
最後に、投資を始めるのであればNISAを活用しないと損です!
●利益に対して税金がかからない(通常は20%)
●非課税期間は、「一般」が5年間、「つみたて」が20年間
●非課税投資額は、「一般」が120万円/年、「つみたて」が40万円/年
◆つみたてNISAがオススメ
・これから投資を始める人
・少額から始めたい人
・長期的な資産運用をしたい人
◆一般NISAがオススメ
・余力金が多い人
・リスクを取って投資したい人
・投資経験者の人
これからの時代、銀行で貯蓄ではなく、最小限のリスクで資産運用することが大切です。
投資を始めるにあたっての基礎知識をまずはしっかり身につけていきましょう。