昨今、センサー・通信機器の発達、Amazonなどのネットサービスの普及に伴い、個人情報を含む様々なデータの種類や量の収集・蓄積が急増しています。
そんな中、注目を浴びている職業が「データサイエンティスト」です。
今後、日本だけではなく世界で活躍できる人材の一つとして求められてきています。
- データサイエンティストはどんな人材?
- 注目を浴びている理由や背景は?
- どんなスキルが必要なのか?
- 働くとしたらどんな分野?
- 年収などは?
Contents
データサイエンティストとは?
データサイエンティストとは?
ビッグデータと呼ばれる膨大な情報を解析し、企業経営、経営戦略などに活用する役割を担える人材
仕事として、統計学、コンピュータサイエンス、データ分析を駆使して、膨大なデータを構造化しながら整理し、企業がアクションを起こすために必要な情報となるように解析結果を導き出す、というものです。
ザックりと簡単に定義すると、上記のように様々な異なる種類の情報を必要に応じ組み合わせ価値を創造する職業と言えます。
「就活・転職における未来の稼げる職業図鑑」でも注目を浴びていた職業の一つです。
本記事でも取り上げられていた将来期待される職業のポイントである6つのカテゴリーはどのようになっているのでしょうか?
★データサイエンティストにおける6つのカテゴリー★
カテゴリー | 内容 |
持続性 | 知識やスキル次第では、生涯活躍可能 |
希少性 | 2018年現時点で人材不足が顕在化 |
注目度 | 産業のIoT化促進の背景から新たな新職業として認知 |
社会的ニーズ | 製造業・小売業・サービス業と多産業におけるニーズ |
非定型性 | 多種多様な分野のビッグデータやプロジェクトが存在 |
独立性 | 個人のスキルによる側面が大きい |
見ての通り、社会的ニーズ(需要)が大きい反面、人材不足(供給)が追い付いていない現状があり、個人の高いスキルが求められるため、一度スキルやノウハウを身につけてしまえば様々な仕事において重宝される存在となる人材である。
2018年以降、国を挙げて注目される職業の一つ!
経済産業省による調査でも、データサイエンティストを含む先端IT人材は、2018年時点で約2万人が不足、約2年後の2020年で約5万人ほどが不足するという予測を出している。
また、今年に入り日立製作所やヤマトホールディングスなど大手企業9社が「データサイエンティスト」の育成に着手した。東京大学をはじめとする5大学と提携し、大学院生などの育成プログラムをスタートさせた。
データサイエンティストに求められるスキルは、非常に高度なことに加え能力が多岐に渡り、経験値も必要になるため育成に時間がかかる。 ※必要スキルは後述
このような背景があるがゆえに、産学連携の動きが活発化していると考えられます。
欧米の大学では、既に大学教育などでデータサイエンティスト育成の専門コースが充実しています。
近年、日本においても滋賀大学をはじめ横浜市立大学などでデータサイエンス学部が設立されてきています。武蔵野大学においては、2019年4月に開設される予定です。
今後も、この流れは加速すると考えられます。
データサイエンティストの活躍例
では、データ分析の専門家である「データサイエンティスト」がどの様な状況で活躍するのかを事例で見てみましょう。
事例1.製造業
生産ラインの不良品の原因分析を実施。様々なデータを組み合わせ、不良品の発生データと製造ラインの温度上昇との関連が示唆された。そこで、最善策として温度上昇を予防することで不良品の発生を減少させることに成功した。
事例2.マーケティング分野
楽天は、顧客の商品購入や履歴データを分析し、顧客特性に応じた濃く配信を行うことでクリック率ならびに購買率向上を実現させた。
事例3.保険業界
自動車保険などを扱う損害保険業界において、自動車の走行データを活用する動きがある。走行データから事故を起こしやすい運転、起こしにくい運転かを分析し、契約者の事故率(可能性)を保険料へ反映させる。また、起こさないための運転方法などのノウハウを供するなどサービスの付加価値につなげる働きかけが行われている。
データサイエンティストに必要なスキルは?
一般社団法人データサイエンティスト協会では、データサイエンティストに必要なスキルとして3つを核として掲げています。
- ビジネス力
- データサイエンス力
- データエンジニアリング力
今後は、一般的に必要とされる「統計学」の知識・スキルのみでは通用しないと考えられます。
1.ビジネス力
所属する企業、依頼元の企業の課題背景を理解したうえで、ビジネス課題を整理し、解決する能力のこと。
本スキルは、データサイエンティスト特有の能力というよりかは、ビジネスパーソン共通の能力と言えるでしょう。
また、様々な情報を取り扱う上で、コミュニケーション能力も必要になってくるでしょう。
2.データサイエンス力
最新の情報処理、人工知能(AI)、統計学などの情報科学系の知識を理解し、使用する能力のこと。
3.データエンジニアリング力
データサイエンスで得た情報を意味のある形に加工し、実装、運用させる能力のこと。
見てわかる通り、それぞれのスキルの専門家は社内を見渡せば必ずいるであろうが、これらすべてを有している人材となるとそう多くはないと思います。
このように、求められるスキルは非常に高いですが、裏を返せば代替の利かない貴重な人材になれるということを示しています。
気になる求人や年収などは?
注目度が高いと言われても、割に合わない職業であれば目指したくはないかもしれません。
では、実際どのような企業がデータサイエンティストを求めており、その対価としてどの程度の収入が得られるのでしょうか?
活躍できる企業、求人企業
- データ解析の専門企業:ベンチャーを始めとする企業
- 産業機器業界:GEなど産業機器メーカーはIoT化の加速を図っている。
- IT企業:Amazon、楽天などの顧客データの分析分野でも活躍が可能
- ITコンサルティング:主に他企業からの外部委託を受注する企業
人材サービスのビズリーチによると、2017年の求人数は前年に比べ1.6倍に増加しているとの結果が出ており、引く手あまたな市場であることがわかります。
年収
個人差、企業差はあると思うが概ね1000万円前後が得られる職業である。
また、2000万円以上の高収入求人も目立っており、高額を支払っても獲得したいほどの人材であることが見てとれる。
海外に目を向けても、年収9万ドル程度が平均のようです。
ここ数年で、人材不足が加速とも考えられる職業であるが故、さらに高額な報酬を提示する企業も増える可能性はあるでしょう。
まとめ
昨今注目を浴びている職業の一つ「データサイエンティスト」についてみてきました。
時代の流れとともに、ITを駆使した業務遂行ができる人材の市場価値が高まってきました。
一朝一夕で取得できるスキルではないことは明白ですが、もし興味があるのであれば、できる限り早めに行動に移すことが大事だと思います。
また、別記事ではデータサイエンティストを目指す上での「資格」についてもまとめていきたいと思います。