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私たちの人生の中で最も高い買い物の一つである「マイホーム」。
そもそも、マイホームを購入すべきか悩んでいる方は、【関連記事】”「賃貸」VS「持ち家」”どっちがオトク?を参考にしてください。
私は、購入できるのであれば“持ち家”を持つことをオススメします。
では、“持ち家”といっても「一戸建て」と「マンション」の2つの選択肢がある中で、どちらを購入するのが良いのでしょうか?
今回は、その判断のヒントとして3つの観点からまとめていきます。
費用面
マイホーム購入で必要になる費用は、大きく分けて「物件価格」と「ラーニングコスト」の2つを考慮する必要があります。
物件価格は?
東京カンテイの調査によると、2017年の一戸建てとマンションの平均価格は以下の通りです。
一戸建て | マンション | ||
首都圏 | 新築 | 3,999万円 | 5,544万円 |
中古 | 3,337万円 | 3,257万円 | |
関西圏 | 新築 | 2,982万円 | 3,933万円 |
中古 | 2,191万円 | 2,033万円 |
中古物件の場合は、両者に大きな差はありませんが、新築物件では約1,000~1,5000万円程度マンションの方が高くなっています。
物件価格を新築同士で比較した場合、単純計算で月2万円程度の支払い増になります。
2018年の価格は?
同じく東京カンテイの調査によると、一戸建ての新築物件価格は、4,201万円(首都圏)、3,147万円(関西圏)となっており、2017年から約200万円程度値上がりしています。(2018年12月プレスリリースより)
ラーニングコストはどんなものがあるのか?
マイホームを維持・管理していく上では、以下のようなコストが毎年ならびにその都度必要となります。
<毎月・毎年>
- 保険料(火災・地震など)
- 税金(固定資産税・都市計画税)
- 管理費・修繕積立費
- 駐車場・駐輪場代
<その都度>
- メンテナンス&リフォーム代(建物・室内)
ただし、「一戸建て」と「マンション」では必要なコストは異なります。

このように、維持・管理費の内訳を見てみると「マンション」の方が必要な項目数は多くなっています。
つまり、維持・管理費の総額を比較した場合、管理費・修繕積立費、駐車場代などが別途必要になる“マンション”が高コストとなります。
都市部を例に管理・修繕積立費合計が2万円/月、駐車場代が1万円/月とし50年間住み続けたとした場合、トータル1,800万円のコストが必要となります。
税金やメンテナンス(修繕費)は“一戸建て”の方が高くなることを考慮した場合でも、マンションの方が約1,000万円程度高くなることになります。
さらに、都市部を中心に建設されているタワーマンション(高層マンション)では、さらに税金や管理・修繕積立費が高額になるため、上記以上のコストが必要になることを知っておかなければいけません。
●結論:「費用面」では、“マンション”の方が高コストになる!
マイホームの立地や仕様、大きさなどで異なってきますが、所持することによる費用は「マンション」の方が一千万円単位で高コストになります。
資産価値
次に、将来的なマイホームの資産価値から両者を比較してみましょう。
一戸建て:ある程度の資産価値は、維持できる
戸建ての最大のメリットは、土地と建物の両方を所有できる点です。建物の価値は経年的に下がりますが、土地の価値は維持もしくはわずかな下落に収まるため一定の資産価値を保つことが可能です。
しかし、今後の高齢化社会、人口減少社会においては郊外になればなるほど、利便性の観点から土地価格も大幅に下落することも考えられます。
ただ、老朽化した場合でも建て替えやリフォームをすることで子供や孫の代まで資産を残すこともできるため、購入する場所によっては資産価値の維持ができるケースもあるでしょう。
また、資産の流動性(売りやすさ)の観点では、買い手が見つかるまでに時間を有することが多いようです。
マンション:立地条件によっては、資産価値は高い
マンションは、戸建てと比べると土地所有割合が少ないため、主に建物の資産価値によるところが大きくなります。
資産価値自体は、戸建て同様に経年的に進んでいきます。また、戸建てのように建て替えなどは容易でないため、築年数が積み重なるにつれ老朽化が顕著に現れます。
一方で、マンションの最大のメリットは、戸建てより「立地条件」が優れているケースが多い点です。主要都市圏でも、○○駅直結、徒歩3分といった駅近物件はマンションでしか得られにくいメリットになります。
立地条件が良いと、なぜ良いのでしょうか?ズバリ、資産価値が下がりにくい、場合によっては購入時より高くなる可能性などもあり得ます。
また、マイホームで資産価値を考慮して購入するのであれば、主要公共交通機関から徒歩5分圏内の物件を取得することをオススメします。
将来的に、売却する、賃貸で家賃収入を得るなどを考えているのであれば、なおさら流動性が高い駅近物件を選択することが重要です。
●結論:「資産価値」は、流動性・下落リスクの面で駅近「マンション」の方が有利!
生活環境
費用、資産価値も大切ですが、約50年程度生活する上で生活環境も考慮しておく必要があるでしょう。
「戸建て」の特徴
① 防音性が高い
特に小さな子供さんがいる家庭では、最も気になるのが騒音問題です。戸建ての場合は独立性があるため、マンションのように上下左右の住民へ常に配慮する必要性は少なくなります。
共働きの場合では、夜遅くの炊事・洗濯をすることも多くなるでしょう。そんなときでも、気兼ねなく行えます。
② 庭付きなど広さがある
ファミリー向けの物件で比較した場合、マンションは約70㎡、戸建ては約100㎡の床面積が一般的のようです。
住居の広さだけでなく、庭や物置スペースなど建物以外の部分も戸建ての場合は活用できるため自由度は高くなります。
③ 駐車場・ガレージを持てる
専用の駐車場やガレージは戸建てだから所有できるもの。そして、マンションのように毎月駐車場代を払う必要がなく、無料です。
固定費が減るだけでなく、近年は家庭内で複数台所有するケースもあり、戸建ての場合は2~3台を駐車することもできるでしょう。
④ 増改築・リフォームなどが自由
建物の老朽化、家族構成の変化などに伴う増改築、建て替えなどができるのも戸建ての特徴です。
将来的には、2階建てから平屋へ改築、子に相続し建て替えをしてもらうなど、住宅を好きなようにリニューアルできる点はマンションになりメリットです。
「マンション」の特徴
① 立地条件が良い
マンションはなんといっても駅近物件の選択肢が豊富な点です。
毎日の通勤、そして買い物などの生活インフラも整っていることが多く、今後開発が見込まれている駅や路線などもあるかと思います。
「資産価値」でも触れましたが、駅まで徒歩5分以内であれば価値の下落が緩やかであり、様々な面でプラスに働きます。
② セキュリティ面が安心
最近のマンションは、共用エントランスを含め住居区域に入るまでに2~3個のロックを解除する必要があります。
また、宅配ボックスなども常設される物件も増えてきているため、部外者の立ち入りが最小限で済むため防犯面では非常に安心感があります。
SUUMOのアンケート調査では、マンションを選んだ理由1位が「防犯性」であったことは近年の情勢を反映してのことだと思います。
③ 展望や日当たりが良い
タワーマンションをはじめ、マンションの高層階に居住する場合は、夜景や展望などを楽しむことができます。
また、高層階であれば周囲を遮るものが少なくなるため、日当たりの確保も容易で快適な生活が送れます。
④ 住居管理が良い
戸建ての場合、建物周辺の管理は全て自分自身で行う必要があります。庭の手入れ、ゴミの出し忘れ、町内での当番制など面倒なことでも自己管理です。
一方、マンションの場合は、管理会社による定期的な清掃、24時間のごみステーションなど住環境の管理は最小限で済みます。
自ずとそれぞれのメリット・デメリットは相反するものとなります。
戸建て | マンション |
・防犯性にリスクがある ・修繕&リフォームなどに多額の費用が必要 ・家事動線が制限される |
・近隣住戸との騒音トラブル発生リスク ・間取りなど自由度が低い ・駐輪・駐車場代が必要 ・管理・修繕積立費が必要 |
【タイプ別】オススメの選択は?
「戸建て」と「マンション」は、それぞれにメリット・デメリットがあるため、万人に「コッチがいい」ということはできないものです。
購入するあなた自身、家族のライフスタイルや仕事、生活環境などを総合的に考えたうえで選択することをオススメします。
- イチから自分自身でマイホームを設計したい方
- 地方でのんびり過ごしたい方
- 子供や孫の代まで資産を残したい方
- 防音性など近隣トラブルを避けたい方
- 子供がいない、予定がない方
- 職場への移動等の利便性を優先する方
- 普段の建物管理がめんどくさい方
- 将来的には、賃貸や売却を考えている方
- セキュリティ面を最重視したい方
まとめ
“「戸建て」VS「分譲マンション」” 買うならどっちか?
都市部において、両方とも新築と仮定した場合、マンションの方が費用面では高くなる可能性が高いです。
しかし、マイホームを購入するにあたっては、お金の面だけで判断するべきではありません。
マイホームに「何を求めるか?」をしっかりと考えて、大事にしてください。
子供がのびのび暮らせる環境が欲しいのか、仕事環境を重視するのか、などマイホーム購入にはお金以上に大切なことがあります。
その思いがしっかりまとまってからでも、費用面や資産価値などを見比べて「戸建て」にするか、「マンション」にするかを決めるのは遅くはありません。