不動産・住宅ローン

【タイプ別】「固定金利」か「変動金利」?あなたに合った住宅ローンの選び方

マイホーム購入を検討している、考え始めた方にとって物件を探す、住宅メーカーを探す、間取りを決めるなど楽しいことも多いのではないでしょうか?

また、マイホーム購入において切っても切れないのが「住宅ローン」の選択です。

3,000万円など生涯の中でも、最も高い買い物の一つがマイホームです。そんな買い物において、営業マンに言われるがまま住宅ローンを契約してはいけません。

住宅ローン選択でで失敗しないためにも、自身の状況と照らし合わせて最適な住宅ローンを見つけられるようになりましょう。

今回は、住宅ローンを選択する上で重要なポイントである「金利」について学んでいきましょう。

住宅ローンの金利の種類

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「金利」とは、住宅ローンの借入額に応じて発生する利息割合のことです。「変動」と「固定」の違いを理解して、ライフプランに合った金利タイプを選択しましょう!

金利タイプは、3タイプ(全期間固定型、変動型、固定金利期間選択型)があります。
まずは、これらのメリット・デメリットを確認していきましょう。

「全期間固定型」の特徴

全期間固定金利型のメリットは、契約時点の金利から変動がないため、支払額(毎月・総額)が変わらないという点です。そのため、将来に向けたライフプランが立てやすいという特徴があります。

一方で、市場金利が低い状況では相対的に高い利息を支払う必要があることがデメリットになります。

固定金利による安定性と変動金利と比べての利息増とを天秤にかけ、どちらを優先するかが重要になってきます。

「変動型」「固定金利期間選択型」の特徴

変動金利型のメリットは、固定型と比べると支払う利息が少なく済むという点です。現在の超低金利市場などにおいては、同じ期間、同じ金額を借り入れた場合の毎月の返済額が少なく済むことが最大の特徴です。

一方で、金利変動による支払額の増加リスクがデメリットとなります。

一般的に、金利の見直しが年に2回(4月・10月)実施され、返済額は5年毎に見直しされます。金利の見直しと返済額の見直しのタイミングが異なるのは、急激な金利上昇に伴う返済額の増加から返済者を保護するためです。(元利均等返済では、変更前後で125%が返済額の上限となります)

固定金利期間選択型は、5、10年など契約から一定期間だけ固定金利となり、期間終了時には変動金利型となるタイプです。全期間固定型と変動型の中間のような金利タイプです。

住宅ローンはどの金利タイプが人気なのか?

国土交通省の「平成29年度民間住宅ローンの実態に関する調査」によると、平成28年度は新たに住宅ローンを契約した人のうち、50.2%が「変動金利型」を選択しています。

また、平成27年度と比べると変動金利型は6.3ポイント減少、「固定金利期間選択型」も前年度より減少しています。(30.0%→25.7%)

一方で、「全期間固定型」(4.3%→7.1%)や「証券化ローン」(9.2%→17.0%)は前年度より増加しています。

近年の超低金利の状況から、金利変動リスクを避けるためにこれらの金利タイプを選択する人が増加していると考えられます。

証券化ローンとは?
民間金融機関が個人に貸し付けた住宅ローン債権を住宅金融支援機構に売却し、住宅金融支援機構が住宅ローンを証券化して、市場から資金を回収する手法。
代表例は、フラット35などの全期間固定型の住宅ローンが該当します。

2人に1人は、金利リスクを理解していない?
住宅金融支援機構の「民間住宅ローン利用者の実態調査(2017年度 第2回)」によると、固定期間選択型・遠藤方の利用者の約50%は金利見直しのルールや金利上昇に伴う返済額増加への対応策について理解不足と回答しています。

目先の低金利だけで金利タイプを選択してしまうと、金利上昇リスクで家計に大きな影響を与えてしまう可能性があります。

「固定」か「変動」か?あなたに合った金利タイプはどれ?

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住宅ローンの3つの金利タイプそれぞれのメリット・デメリットを元に、自分に合った金利タイプを考えていきましょう!

変動金利型が向いている人

  • 借入金額が少ない
  • 借入期間が短い
  • 余裕資金があり、繰り上げ返済などを予定している
  • 金利動向を定期的に確認でき、上昇リスクに対応できる
  • 将来的に収入増加が見込まれる

変動金利型は、低金利による返済額を低く抑えつつ、金利変動リスクに柔軟に対応できる人に向いていると言えるでしょう。余剰資金やボーナスなどを用いた繰り上げ返済、金利上昇リスクに備えた資金準備、上昇時の借り換えなどの返済計画を定期的に見直すことが大切です。

また、40代半ばから50歳前後での借入を検討している場合などは、固定金利期間選択型(10年など)が有効になると言えます。該当期間の金利リスクを回避でき、全期間子知恵型よりも低金利で借り入れが可能なケースが多いため、退職金などを含めた返済期間が立てやすくなるからです。

全期間固定金利型が向いている人

  • 金利上昇リスクをなくしたい
  • 将来までの返済計画を立てたい
  • 契約時の返済額(返済計画)に無理がない
  • 手元に余裕資金が少ない若い世代(20代~30代)

繰り返しになりますが、固定金利の最大のメリットは返済額が一定による安心・安定感です。特に、現在のような低金利な状況がいつまで続くかもわからない情勢の中、金利上昇リスクをなくしたい人などには向いていると言えるでしょう。

現在の金利が継続・低下する確率と、上昇する確率を考えると、後者のリスクの方が断然高いとも考えられます。

住宅ローンは営業マンの言いなりでは絶対ダメ!

マイホーム購入で住宅ローンを選択する上では、営業マンや不動産業者から提携住宅ローン勧められるケースがほとんどです。

提携金融機関のメリットは、金利が低い、審査が通りやすい、契約の手間が省けるなどがあります。しかし、知識がない、面倒くさいからとそのまま契約してはいけません!

最近では、ネット銀行などの低金利住宅ローン、手数料や保証料などの諸経費が低い住宅ローンなども存在します。例えば、3,000万円の借入を全期間固定(35年)で契約した場合、AローンとBローンの間に0.2%の金利差があると約200万円の差が生じます。

なので、提携住宅ローン以外は審査が厳しい、契約までの手間がかかる、アフターフォローがないなどの理由を掲げ、提携先へ誘導する営業トークへはのらないにしましょう。

今は、住宅ローンの一括仮審査などのサービスもあるため、必ず金利や手数料などの諸費用を他の住宅ローンと比較したうえで、提携住宅ローンの良し悪しを決めても遅くはないでしょう。

まとめ

変動金利型 固定金利型
メリット ・固定金利よりも低金利
・金利上昇がなければ、返済額が低く済む
・金利上昇リスク
・金利上昇に伴う、返済額増加
デメリット ・返済額が一定で、ライフプランが立てやすい
・安心感・安定感がある
・変動金利より金利が高い
・低金利が続くと、変動金利より返済額が増える
向いている人 ・借入金額/期間が少ない/短い
・資金に余裕があり、繰上げ返済を予定
・将来的に収入増加が見込める
・金利上昇リスクを失くしたい
・将来までの資金計画を立てたい
・資金が少ない若い世代

「変動金利」と「固定金利」の金利タイプは、メリット・デメリットを正しく理解した上で選択することが最も重要です。

住宅ローンは、長期間の借入による返済義務が生じます。将来のライフプラン、収入の状況変化などを考え、自身の返済プランにマッチした金利タイプを選択することが大切です。

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